【要約】人を自在に動かす武器としての韓非子|「想定外なし」が「韓非子」の神髄

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要約

  • 正しい行いにはきちんと見返りをあたえる
  • モチベーション三要素(公平感、達成感、連帯感)
  • 公平感がないとやる気が失われる。公平感はリーダーの立場を安定させる。
  • 出した結果で人事を決めるために、機会は平等に与えること。
  • 韓非子の部下評価方法(八説)
    1. 身分の低いものでも高いものを批判することができるようにする
    2. 事実の判定には多くの情報を集めて検討する
    3. 部下の意見を広く集めて、偏った聞き方をしない
    4. 優れた実績を出したものの仕事を増やす
    5. 愚か者には仕事を任せない
    6. ヒトを動かしたいのなら、成果をあげずに、得するものを一切許さない
    7. トップがルールを真剣に守ることが人が動くチームの基礎
    8. 優れた組織と仕組みは、普通の人・平凡な人もヒーローにする
  • 業績をあげるための三つの能力
    • 企業家的な計画を、特定の人間が責任を持つべき仕事に具体化する
    • 企業家的な計画を日常の仕事に具体化する
    • 一人ひとりの人間の職務と組織の精神の中心に、業績を捉える
  • リーダーは目標をはっきりと、より明確にし続ける
  • 韓非子の説くリーダーに必要な三つの要素(この三つ以外は急務ではない。)
    • 利益(お金)
    • 威厳(地位、権力、敬意)
    • 名目(掲げる目標)
  • 成果と資源は企業の内部にはない。いずれも外部にある。
  • 成果は、問題の解決ではなく、機会の開拓によって得られる。
  • 成果を上げるには、資源を問題にではなく、機会に投じなければならない。
  • 成果は有能さではなく、市場におけるリーダーシップによってもたらされる。
  • 機会を利益にするためには、それをいかせる資質を身につける
  • 実行がなければ、高尚な論理など無意味。実行の代わりは決して果たせない。実行を何より求め、追求していること。
  • 特別な目標を掲げて、それを達成する特別な集団を目指すこと。
  • カルト的文学で目標に徹底して取り組ませ、圧勝する
  • 個人の利益は必ず集団への貢献になることを徹底。
  • 韓非が説く、部下を惹き付ける四つのポイント。
    1. 君主の目標設定力
    2. 君主が感情でヒトを裁かない
    3. 部下の適材適所を常に考える
    4. あらゆる指示のわかりやすさ
  • 部下の力を引き出す五つの法則
    1. 人にあわせた仕事と集中環境
    2. ルールはシンプルで効果的
    3. 部下に苦手なことを押し付けない
    4. 効果的で成果の上がる目標からまず取りかかる
    5. リーダーの冷静さ。感情ではなく、合理性を追求する姿勢。
  • 自分が多く話すことはあきらめて、部下から話を始めさせる。
  • 部下の発想、アイデア、知恵、エネルギーを活用するために、リーダーは自分が常に一番であることを意図的にあきらめる。
  • 曖昧なままでの放置は、上司が部下を見捨てる行為である
  • ここを変えるともっとよくなるよ、というフィードバックをする
  • 韓非子の言葉
    治を望むことの強いものは、その賞を手厚くし、乱を憎むことの強いものは、必ずそのばつを重くする。
  • 優れたリーダーとは、意義あることに目を向け、部下を行動・集中させるもの。
  • 定量的に評価さるようにすれば、口に惑わされることはない。
  • 韓非が指摘する君主の二つの武器
    • 明察・隠れたものを見抜く力
    • 厳格・処罰を断行する力
  • 人の演技を見抜けないリーダーは転落する
  • 転落するリーダーの情報は筒抜け、飛躍するリーダーは自分の情報をしっかり守る
  • 転落するリーダーは好き嫌いを素のままで出す
  • 飛躍するリーダーは仕事への影響を考えて好悪を設計する
  • トップが目標を公開する前に、幹部や部下に目標を聞いてみる
  • 言ったことと、実際の功績を厳密に比較してみる
  • 自分にお金や権力ごないときの、相手の態度を覚えておく
  • 情報を与えず相手を試し、発言は必ず裏をとって確かめる。
  • みんな多かれ少なかれ演技をしている
  • お金や権力、地位の前で人がどう演技をするか、理解しておく
  • 10の落とし穴
    1. 小さなことを取り上げて、大きな誠実を妨げてしまう。
    2. 小さな利益にひかれて、大きな利益を損なう。
    3. 行動が偏り、外国の諸侯に無礼だとやがて身を滅ぼす。
    4. 政務に集中せず音楽ばかり楽しむと、やがて行き詰まる。
    5. 貪欲でひねくれて、利益をさばかり求めると、国を滅ぼす。
    6. 女性の舞楽に溺れて政治を顧みないと、国を失う。
    7. 朝廷を離れて遠くに遊び、諫める人を無視すると、身に危険が迫る。
    8. 失敗しながら忠臣の言葉を聞き入れないと、名声を失い笑い者になる。
    9. 内に自分の力を考えず、外の有力者に依存すると国土を削られる。
    10. 小国なのに礼を守らず、諌める部下の意見を用いないと、世継ぎが続かない。

      10の失敗をまとめると、以下の三つ。

      1. 利のマイナス面を避ける知恵と判断力。
      2. 傲慢さを遠ざける規律。
      3. 客観性を保持する努力。
  • 滅びる国の特徴。
    • 君主自身の傲慢さや不注意
    •  君主が感情を管理できない。
    • 君主が欲を管理できない。
    • 君主が法令を守ることができない。
    • 君主が上にたつものとしての定石を無視する
  • 幹部との関係、人材の扱い
    • よい評価の基準は必ず明示しておく
    • 生え抜きを昇進させ、内部の貢献者にやる気を与えていく
    • 矢面にたち責任を果たしたもの、本当に貢献したものを優遇する
    • 根拠もなく人を信じてはいけない
    • 相手が騙せない自分、暴利をむさぼれない自分になること
    • 君主が確認する力を高める続けることが、組織の不祥事を未然に防ぐ
  • 組織統治の誤りを正さないこと
  • 外交上の無謀、無知はよくない
  • 跡継ぎ、家族の管理の不行き届きはよくない
  • 特に自己管理が大切。そのつぎに他者管理。